2006年 11月 05日
唐津くんち
|
毎年11月2日の宵から4日まで佐賀県唐津市一帯では
その歴史180年超の伝統を持つ 唐津くんち が盛大に催される。
オレの亡きオヤジは唐津出身。
現在でも齢80を越すばぁちゃんとオヤジの姉がこの土地に住んでいる。
福岡県の新興住宅地で育ったオレはガキの頃この祭りに心奪われて
毎年この時期はカレンダーに×をつけてはソワソワしながら過ごしていた。
2日は夜の7時過ぎから 宵山 というイベントが開催されるのだが
オレと弟はこの日だけは4時間目あたりで早退。
母親と一緒にオヤジと会社が入っていた博多区のビルで待ち合わせて
唐津までオヤジの運転で移動するというパターンを毎年行っていた。
そんな感じでガキの頃の一年間はこの唐津くんちの前後の季節が1番楽しかった。
オレや弟もそのガキンチョ時代から高校生位までは曳き子として参加していたが
その後は所詮よそ者であるが上次第に遠ざかっており、且つ社会人となってからは
この時期大体新店のオープンや店頭イベント等で忙しく見学にも行けない状態だった。
今年はなぜか11月頭の3連休に休めたので17年振りに家族揃って見学に出かけた。
これも ナビ効果 ってヤツなのか??
こんな感じで14台の曳山が登場し、2日の宵山から4日までの3日間
唐津の伝統ある町中をねり歩くというのがメインの祭りである。
唐津はばぁちゃんの家もあるし、普段仕事でよく訪れる所でもあるのだが
悪く言うと普段は閑散とした地域である。
でもこの3日間はこんなに沢山の人々で神社前はごった返し、
数キロ続く唐津神社までの参道両脇は空き無く出店で埋まる。
こんなに祭りっぽい雰囲気を味わえるのは今や貴重だと思う
また、この3日間は曳山に参加している者(衣装を着てる者)は
どの家に行って振舞われても良いとされる事から
各家庭は正月よりも豪華な料理を用意して待機するという風習がある。
ばぁちゃんに最終日で抜けばかりだから撮るなと言われたが料理はこんな感じ。
鯛2匹もいまっせ☆
これだけの料理を何日も掛けて用意するのだから
キッチンはさながら戦場のように。
ハタから見ると唐津くんちは男の祭りのイメージが強いが
実はこういった見えない所で女達の祭りが催されている。
曳山は中心に柱を建てた車輪付きの土台に各町それぞれ
和紙と漆を駆使して製作された外観を乗っけている構造。
現存しているのはこの14台
・一番山 「赤獅子」 刀町 1819年製
戦隊モノもそうだがやっぱ1番でリーダー格は「レッド」w
・二番山 「青獅子」 中町 1824年製
信号もこの青獅子も「青」というワリにゃ「緑」なので
昔は青の事を緑って言ってたのかという持論にガキの頃至る。w
・三番山 「亀と浦島太郎」 材木町 1841年製
こんなコワイ顔してる亀がいじめられるワケないと思うが…。w
・四番山 「源義経の兜」 呉服町 1844年製
兜シリーズの祖。本当に編みこんでいるところがミソ。
・五番山 「鯛(たい)」 魚屋町 1845年製
14台中唯一「カワイイ」の表現が使えるのはこの鯛だけ。w
魚屋の町だから鯛ってところも分かりやすくて◎
・六番山 「鳳凰丸」 大石町 1846年製
スーパーヘヴィー級。その重さなんと4トン超!トラック並の一番重いヤツ。
・七番山 「飛龍」 新町 1846年製
いつぞやの紅白にてサブちゃんのバックダンサーを勤めた事は有名。w
・八番山 「金獅子」 本町 1847年製
顔は金箔を重ね、歯は銀箔を重ねたバブリーな獅子。
・九番山 「武田信玄の兜」 木綿(きわた)町 1864年製
ガキの頃どんな読み物の武田信玄もこんな兜を被ってた。
意外と歴史的資料とかに忠実なデキなのか??
・十番山 「上杉謙信の兜」 平野(ひらの)町 1869年製
対照的に色んな読み物で上杉謙信は兜を被らない姿が多く残念w
今年塗りなおしたそうでピッカピカになりました☆
・十一番山 「酒呑童子と源頼光の兜」 米屋町 1869年製
誰もがガキの頃一回は泣くね、コレ見ると。w
ちなみに「しゅてんどうじとみなもとらいこうのかぶと」と読みます。
恐れをなした子供達は「らいこうがきたぁ~」とかって泣き叫びますw
・十二番山 「珠取獅子(たまとりじし)」 京町 1875年製
狛犬やシーサーにも見える。ウチの犬もボール遊びの時よくこんなカッコしてました。w
・十三番山 「鯱(しゃち)」 水主(かこ)町 1876年製
いわゆる屋根のしゃちほこである。ちなみに今年うちのばぁさんが
「飛龍と鯱はまぎらわしいねェ~」と言ってたがそんな事はナイ。
何年見てんだってカンジw
・十四番山 「七宝丸(ひちほうまる)」 江川町 1876年製
宝船を運ぶドラゴンです。ガキの頃曳きながらナナメから見るとカッコイイが
正面から見るとちょっと…。って思ってた我が町のヒーローです。w
大小の和太鼓をベースに鐘と笛の独特な音色。
エンヤーエンヤーとかヨイサーヨイサーという雄雄しい掛け声。
アスファルトに残る曳山の木輪の後。
大量に撒かれる清め塩をジャリっと踏む足裏の感覚。
酒の香りと腹に響く太鼓の音。
17年振りの唐津くんちで自分の中で眠っていた感覚が再起動し、
正直、血が騒いだ。
もう祭り衣装を袖通す事は無いにせよ
今後はできるだけ毎年見に来よう。
そして出来れば来年は今年以上に親族一同が集まれますように。
by truckman05
| 2006-11-05 22:13
| 生き様